会議で好感の持たれる話し方について。
私はソフトウェア開発の仕事をしていますが、たまに外資系の取引先と会議することがあります。会議には外国人が参加されるため、英語で話すことになるのですが、中には日本人も含まれます。おそらくどの企業でもそうだと思いますが、日本人の英語レベルは高くありません。
ここでは、そのような英語レベルが高くない参加者が含まれる会議において私が英語で話す際に気を付けていることをお話ししたいと思います。
具体的に、気を付けているのは以下の3点です。
- ゆっくり・はっきり話す
- 簡単な表現を使う
- 要約する
ゆっくり・はっきり話す
打ち合わせでは全員が聞き取りやすいように、ゆっくり、はっきり話すことが重要です。
特に日本人のリスニングレベルは高くありません。外国人を相手に話すときであっても、周りにいる日本人を意識して、ゆっくりとしたスピードで話します。
私はもともと日本語でも話すスピードが遅いので、英語で話すときに特に意識してスピードを落としているわけではありません。気を付けているのは、口や顎を大きく開けて発音をはっきりさせることです。
英語は気を抜いて日本語と同じ調子で喋ってしまうと、口先だけのごにょごにょとした発音になってしまいます。最低限、アの縦横の区別やR母音で腹筋を入れて低音をしっかり出すように発声しています。
例えば、以下の文では、ピンク(/ɑ/)で口を縦に、黄色(/æ/)で口を横に、赤(/ɜr/, /ɑr/など )で腹筋を入れるように発声していきます。
“Let me take this back and discuss it with my boss.”
“We need to research the market before launching a new project.”
“He will be the contact person in our company.”
なお、周りに日本人がいるからと言って、それにつられて自分の発音まで日本語っぽくする必要はありません。日本語っぽい発音で話すと今度は外国人に聞き取りづらくなりますし、カタカナ英語の悪い癖に戻ってしまいます。周囲の目を気にせず、思い切ってダイナミックな英語の発音をしていきましょう。
簡単な表現を使う
打ち合わせでは、参加者全員が理解できる簡単な表現を使って話すことが重要です。
例えば、ビジネスの場でよく使う言葉として、「認識合わせ」があります。「認識が合う」には、慣用表現として、”be on the same page”という表現があります。
例えば、「明日の打ち合わせで、仕様変更について認識合わせさせてください」は、
“In the meeting tomorrow, let us make sure that we are on the same page about the change of the specification. “
となります。
会議の場でこの表現を使うとき、周り全員がネイティブだったら問題なく通じると思いますが、ノンネイティブには必ずしも通じるとは限りません。普通の英語レベルの日本人にはおそらく通じないです。
その場合、誰にでも通じる簡単な表現で言い換えることが必要です。例えば上の文章は、
“In the meeting tomorrow, let us make sure that we share the same understanding about the change of the specification.”
と言い換えることができます。
普段の英語学習の中で新しいフレーズを覚えたときは、それが一般に知られている表現なのかどうか確信が持てない場合、誰にでも通じる簡単な単語を使って言い換えられるようにしておくとよいです。
言い換え表現を準備しておくことは、万が一そのフレーズを忘れてしまったときのためにも役立ちます。
会議では意思疎通を図ることが最も重要です。覚えたフレーズを試してみることも大事ですが、極力、周りのレベルに合わせ、全員が理解できる表現を使っていきましょう。
要約する
打ち合わせでは、相手が話したことを周りが理解しやすいように、要約して確認することが重要です。
日本人にとっては外国人の英語は聞き取りづらいものです。打ち合わせにおいて外国人が長々と何かを説明することがあれば、その説明の後に、要約して内容を確認するようにします。
例えば、相手が「チケット発行の仕方」について細かい説明した後で、「分かりました。チケットを発行するときはそのマニュアルの指示に従えばよいんですね。」と要約するときは、
“OK, I see. So, you mean we have to make the ticket following the instructions in the manual, right?”
と言えばよいです。
要約する際の表現としては、
So, you mean …
To summarize, …
In short, …
So, what you want to say is …
などがあります。
このように相手の言ったことを要約することで、こちらの理解が正しいことを確認できると同時に、周りの参加者が内容を把握するのにも役立ちます。
私は最初、相手の説明を受けても、”OK”とか、”I see”とかしか言わなかったのですが、これだと、ただその場を流そうとしているという印象を持たれてしまったり、自分がちゃんと理解していたとしても、周りの参加者がついてきていないケースもあるため、極力、相手の言ったことを要約して確認するようにしています。
まとめ
このように私は、日本人が含まれる会議の場では、
- ゆっくり・はっきり話すこと
- 誰にでも分かる簡単な表現を使うこと
- 相手の言ったことを要約すること
を心がけています。
私の経験上、大企業であっても日本人の英語レベルは高くありません。日本人の多くは英語の会議に苦手意識を持っています。そのような場において、誰にでも分かりやすく話す配慮を見せることで、参加者の不安を取り除くことができます。是非、「あなたがいれば英語の会議も安心」と言われる存在になっていきましょう。
コメント