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挫折から学んだこと

私の英語での挫折経験とそこから学んだ教訓についてお話します。

私が英語発音の勉強を開始したのは、修士1年のときです。当時、イーオンに通っていたのですが、外国人と話す中で、「英語には日本語にないイントネーションの気持ちよさがある」と気づいたのが学習を始めたきっかけです。まるで歌を聴いているかのように音の高低差が大きく、耳にとても心地が良い中毒性のある言語だと感じました。自分もそのように発音できるようになりたいと思い、イーオンで売っていた5万円ほどのビデオ教材(当時はまだVHSでした)を買って、口のフォームを学びました。学んだ発音で毎日ひたすら音読練習することにより、TOEICも順調に伸びていきました。

実際に人前で英語を話す機会が訪れたのは、博士時代に、教授の補佐として英語で講義をしないといけなくなったときです。人前で英語を話すことが初めてだったので最初はとても緊張しましたが、自分なりに発音を練習してきた自信もあり、堂々と講義ができました。聴講していた留学生が、”His English is perfect.”と言っているのも聞こえてきました。その後、国際学会での発表も無難にこなせていましたので、自分の発音はもうすでに上級に到達しているものと思っていました。

しかし、残念ながら、これは大きな勘違いでした。自分の発音が正しいことを確認するため、軽い気持ちでマンツーマンの発音体験レッスンを受けてみたのですが、そこで自分の発音が全然違っていることを思い知らされました。口のフォーム自体は正しいのですが、声の出し方が全然違うのです。s,fなどの摩擦音の鋭さ、r,wでの溜めの長さ、腹筋から出すerの低音の響き、みぞおちに落とす弱母音の繊細さなど、腹筋や肋間筋など体じゅうの筋肉を使った音の響かせ方が非常にダイナミックなのです。私の発音は堂々とはしていたかもしれませんが、ただ頑張って声を張り上げていただけで、一本調子の棒読みで、繊細さのかけらもありませんでした。

体験レッスンは、自分の想定ではある程度褒められて気持ちよく帰る予定だったのですが、逆に返り討ちにあった格好となりました。非常に恥ずかしいです。私にとって英語でのはじめての挫折経験となりました。

体験レッスン後、ショックからしばらく気持ちが冷めたようになっていましたが、3か月後、一念発起して発音レッスンに通うことにしました。(すぐに通えばよいものを、3か月という間が空いているのも精神的な弱さです。)

レッスンを受け始めてからは、着実に成長を遂げ、2年くらいで教え方まで分かってきましたので、自分でも英語講師としてレッスンを始めてみました。もともと英語発音を教えるのは夢であったため、それが実現した形です。(大学時代に多くの教授の方や博士学生の英語プレゼンを聞いてきて、日本人の発音を正しくしたいという思いがありました。)教える側に立つことにより、日々の緊張感、モチベーションが高まり、さらに成長が加速したという感じです。

このように英語発音に関して挫折と再起を経験したのですが、この経験で学んだことは以下の通りです。

  • 挫折は向上心があってこそ。挫折してからがスタート。
  • 自己流には限界がある。限界突破にはプロの指導を受けるべし。

まず第一に、挫折することは向上心があるからこそ起こることで、何も恥ずべきことではありません。

そもそも最初から体験レッスンなど受けなければ挫折することはありませんでした。向上心があるからこそ、次のレベルに行くためにそういったものに参加し、プロに見られることで、自分の現在地を知ることができました。

ショックを受けたのは、自分のレベルが自分の勝手な期待に反して低かっただけのことです。その悔しさをバネに、次のステップへ進んでいけばよいだけのことです。挫折してからがスタートであると、前向きにとらえるのがよいです。

次に、自分のレベルを上げていくには、自己流では限界があるということ。そして限界突破にはプロの指導が必要であるということです。

特に、英語発音は独学で上達することは非常に難しいです。私の場合、ほぼ独学でTOEIC900点を超えるという成功体験がありましたので、発音も独学で継続すれば極められるものと勘違いしてしまいました。成功体験が仇となった形です。

発音上達が難しいのは、発音には正解がなく、自分の誤りを自分で認識できないためです。今でこそ、様々な発音アプリが存在しますので、それらを利用して、自分の発音を客観的に測定し、誤りを認識しやすくはなっています。しかし、誤りを認識したところで、どうやって正しい音を出せばよいのか、やはり正解が出せるまで、自分で試行錯誤が必要となります。

このようなときこそプロの力を借りるべきです。プロの指導者であると、自身が上達した経験と、多くの生徒さんを指導してきた経験から、どこをどう修正すれば正しい発音になるかということを熟知しています。

確かに、自己流でもある程度のレベルまでは上達できるとは思いますが、同じレベルに達するにもプロの指導を受けた方が効率がよいです。早くレベルアップできれば、同じ時間でさらなる高みに到達することができます。

自分の場合、独学で発音を学び始めてから10年以上、自己流で音読練習を継続していましたが、中途半端な発音で10年も継続してしまったことがすごく悔やまれます。もし、もっと早段階で正しい発音をプロに教えてもらっていたとしたら、今頃、もっと高いレベルに到達できていたのではないか、何年も早く英語講師になることができたのではないか。いろいろ後悔の念がこみ上げてきます。

当時、私は地方に住んでおりましたので、発音専門のスクールなどなく、レッスンが受けられなかったのは致し方ない面もあります。現在はオンラインで、全国どこにいてもレッスンが受けられる良い時代になっています。

プロの指導を受けることでお金がかかってしまうと心配される方もいらっしゃると思いますが、そこは投資と割り切りましょう。自己流でダラダラ練習を続けることこそ時間の無駄です。「時間=お金」です。早めに高みに到達できれば、その投じたお金を回収する時間はいくらでもあります。

以上、私の挫折経験とそこから学んだことについてお話ししました。これは英語に限らず何事にも通じることだと思います。もし、あなたが何かに挫折しているとしたら、成長するチャンスであると前向きにとらえましょう。そして、よき指導者を見つけて、成長を加速させていきましょう。

私も英語発音に関しては、まだまだネイティブには程遠いと思っておりますので、皆様に少しでも上質のレッスンが提供できるよう、日々鍛錬を重ねていく次第です。

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この記事を書いた人

工学博士。ITエンジニア、英会話講師、不動産投資家の3刀流。ソフトウェア工学に関して国際学会での論文発表経験多数。趣味はカラオケ。スナックやオープンマイク等、人前で歌う機会を持つことで性格がオープンになり、あがり症が改善されることを発見。暇があればカラオケの練習をしてます。

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